一日保育士体験に行ってきた!(2歳児クラス)

娘の通う保育園で、一日保育士体験というのがあったので参加してきた。1年に夫婦それぞれが1回ずつ、体験できるルールになっている。新しい園長先生が2〜3年前に始めた制度だとか。

うちの子は2歳児クラス。とはいえもう3月なので、ほとんどの子は3歳になっており、4月からの3組(3歳児クラス)に備えていろいろ準備をしているところ。今の2歳児クラスの先生チームが解散になる前に……と保育士体験をお願いした。

事前に資料をA4で1枚頂いた。おおまかなスケジュールが書いてある。「携帯電話、カメラは保育の邪魔になるので使えません」とある。

登園

9:30頃、娘と一緒に登園。 「今日はよろしくお願いします」など。子供たちにも「今日はしのちゃんのお父さんが一日だけ先生です」と紹介される。娘はハッスル。我が物顔である。

お散歩

保育園からお散歩に出発。 靴を履かせる(気をつけて!30%くらいの子は左右逆にはいているよ!)

隣の子と手を繋がせて(ただし、◯◯ちゃんと手をつなぎたいという子と手をつなぎたくない◯◯ちゃんがおり、紛糾する)2列で並ばせて、川沿いの遊歩道を歩く。

20人ほどの子どもの、先頭に担任、しんがりに頼れるしっかりした先生を配置し、真ん中の辺りに新米の見習い(君のことだ!)を配置する。

  • 油断をすると(しなくても)子供の一部は列をそれていってしまうので、常に声をかけて列に戻す。
  • 自分の後ろにいる子供はどんどん遅れていくので、励まして追いつかせる。
  • 自分の前にいる子供は振り向いて新米保育士に話しかけたくてしょうがない(むしろ、誰かれかまわず話しかけたいのだ)。しかし彼はどんどん遅れ、列を乱していくので、前を向いて歩かせないといけない。
  • 自分の前にいる子供が遅れると自分の横にいる子供(うちの娘)が無意識に追い越しをかける(うちのカミさんと同じ挙動)ので、それも列を乱す原因になる。

たったこれだけ気をつければ、何の問題も起きない……てゆーかもーマジ無理。通例まともな保育士さんが入るポジションに自分が入ることで明らかに戦力低下を招いていることを痛感。

橋の上

橋に到着すると、全子供に1杯ずつお茶の配給がある。先生が水筒からお茶を出して配る。
きみは3つの金属製コップを渡されるが、その1番上のコップだけにお茶が入っている。君はお茶をこぼさないように(水筒に余裕はない)3等分して子供に配らなければならない。
そして声の小さい子供が、お茶をもらいそびれているのを見落とさないようにする。

子供たちは橋の上で自由行動。車が来ない遊歩道の橋なので自転車にだけ気をつけなければいけない。
子供たちは「自転車が来るよー」と言われると「壁ぺったん(壁際に退避する)」ように訓練されているが、遊びに夢中になると聞こえやしない。

それは新米の先生も同じで、いくら子供と追いかけっこをしていようとも、自転車だけは見落としてはいけないのだが、むしろすべての自転車に鈴をつけることを義務付ける法案を提案したい。

帰り道

少し遊んで、園に戻る段になってしんがり役の先生から「◯◯くんは肩で息をしているので(帰り道を長いルートは)厳しいかもしれません」との報告が上がる。
担任の先生は少し早めに帰投することにする。「(○○くんを見るので)一人で歩ける子を後ろに回してもらえれば」というやりとり。なるほど、そういう個体差も考えないといかんのかー。

階段では子供たちに「1列になる」「手すりを使う」の2点を徹底する。徹底しても手すりから離れたり、あまつさえ後ろ向きに転げ落ちそうになる子供が1人や2人ではないのだ。

疲れて元気が減ってくる子供たちを励ましながら園に帰投する。園の中はなんて安全なんだ! 実に素晴らしい。ホッとするよ。

絵本の読み聞かせ〜食事

園に戻ると増援がいる。遅出のシフトの先生たちだ。やれ、たすかった。

協力して子供たちの靴を脱がせ、部屋にあげる。ここでも油断すると靴を忘れたり、別の子の靴箱に入れてしまったりする。

子供たちを順番にトイレに行かせながら、担任の先生が「ご飯が始まる前に、一冊絵本を読んで頂いていいですか」との仰せ。喜んで。

先生のチョイスした絵本は『うそだあ』。

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うそだぁ!¥ 1,404

ささっと内容を予習する。ほら吹き少年に「うそだあ」とツッコミを入れ続ける絵本。「うそだあ」というセリフの繰り返し性がキモなのでこのセリフは常に毎回同じ調子で読むようにしなければ……というくらいなことを考えて本番に臨む。

食事の配膳が終わると私の出番だ。

一日保育士体験

一日保育士体験

私の読み方がいいのか悪いのか(子供たちに「アメリカ」や「火星」がわかるのかどうか)わからない。ページによってウケたりウケなかったりだが、まぁとりあえずやりきった。

一日保育士体験

お昼ご飯を子供たちと一緒に食べる。これは先生たちは普段やっていない模様。だって彼らは子供たちの世話をするので手一杯なのだ。

私は娘のテーブルで子供たちとおしゃべりをしながら、「いっぱい食べたらグングン背が伸びるもんねぇ。お姉さんになるものねぇ」と食育ステマを繰り広げる。

あとデザートのバナナの皮をむきながら
「あっ! チョコバナナ!」
「……うそだぁ」
と『うそだぁ!』前提のネタを繰り返す。この絵本は繰り返し性がキモなのだ。

お昼寝〜休憩

一日保育士体験

食後、子供たちはお昼寝タイム。高さ10cmほどのトランポリンのような形状のベッドがあり、これは3歳児クラスから使用することになっている。来期、本格的に?ベッド生活に入る練習として、先週から子供たちはベッドの上にバスタオルを敷き、バスタオルを掛け布団にして眠るようになっている。子供たちがバスタオルを敷くのを手伝う。大きすぎるバスタオルは子供にとってはハンドリングしづらいので、ギリギリのサイズにした方がいいかも。

子供たちを手伝いながらベッドに寝かせていると、先生から「1時間休憩をとってください」と言われ、一時任務を解除される。娘はお父さん帰っちゃうの、と心配そうだが、大丈夫、君が目覚める頃には帰ってくるよ。

保育園の上にあるパン屋(障碍者支援の一環になっている)で軽く食べ、珈琲を飲む。

おもちゃを磨く

時間ちょうどに戻ると、子供たちは概ね眠っていた。昼前の状況では全員寝そうにもないと思っていたのだけれど……さすが保育士。 先生たちは、子供達の連絡手帳のコメントを書き込んでいる。これ全員分書くの大変そうだなぁ。

私が戻ったことに気づくと、「すみません、おもちゃを磨く作業をお願いしたいんですが」とのこと。薄い手袋をして、漂白剤を混ぜた水をつけた雑巾でおもちゃを磨く。そうか、衛生上の観点か。

後の面談で聞いたところでは毎日やってます、とのこと。「それでもインフルエンザが流行っちゃう時は流行っちゃいますから」そりゃそうだけど、これ大変だなあ。

おもちゃは形状も複雑でなかなか一様に磨くこともできない。製造業的な観点から省力ができないか考えてみたけれど、ドブ漬け(液にまるごと浸す)くらいしか思いつかないなぁ。それだと今度乾かすの大変だし。液が残っちゃうと子供の手荒れがなぁ。

動物フィギュア関係を拭き終えてブロック関係もあらかた拭き終わった頃に、先生が来て「じゃあ面談をお願いします」と仰る。本当は一日が終わった後で面談したいところだろうけれど、夕方は子供の引き渡しも発生するし、時間がなかなか取れないのだろう。

面談

面談用の個室に移って、お話しをする。

「作業みたいなことを頼んじゃってすみません。人手としてフルに活用させて頂いてます」と先生。光栄です。いや、そういうのも是非体験したいですよ。

「何か気づいたことや、こうした方がいいみたいなことってありますか」と繰り返しきかれたので、この一日保育士体験ではそういった父兄からのフィードバックを重視しているみたい。

とはいえ、特に思いつかない。 普段からの感謝している話とか、娘の話とか、あれこれ雑談。あと私にできることがあれば言って下さいね、とはお伝えしておいた。

小庭でのお遊び

あんだけ玩具を磨いている以上、部屋を掃除しているのはほぼ確実だが、いつ掃除してるんだろうと思ったら、午後でした。みんなを小庭で遊ばせておいて、その隙に掃除機をかけている。

小庭では縄跳び、砂遊び、三輪車など。子供たちに引っ張りだこで、娘がヤキモチをやくほど。いやーモテたモテた。 

もてたぜ

 

小庭のお遊びが終わった後、またお部屋に戻って、何が始まるのかなーと思っていたら、「てるゆき先生の表彰式をしまーす」ということで、表彰して頂いた。園長先生不在につき、代理の先生から。

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同時に、当日撮影した写真を印刷したものも頂いた。わー、これはすごい。当日は携帯電話もデジカメも禁止されていたので自分ではまったく撮っていなかったのだけれど、これがあれば別に自分で撮らなくてもいいやー。先生たちが撮っていたのには気づいていたけれど、こんな形にしてもらえるとまた嬉しさもひとしお。

ほんとはもっといたかったけど、緊張もあって疲れてきたので16時で娘と一緒に帰宅しました。毎日これを続ける先生はホントすごい。

翌朝、娘を送園した時に、子供達が何人か「今日も遊んで−!」とやってきて、娘も「おとーたんお仕事いくの? なんで?」と駄々をこね、大変でした。

保育士体験で学んだこと

保育士さんの苦労というのは、遊ぶのが大変なのだろうとなんとなくイメージしていたんだけど、全然違った。実際問題、遊ぶのは子供同士だってやるからいいのだ。神経を使うのは安全管理・健康管理につきる。

子供たちは一人一人、状態が違う。月齢によってだいぶ体格も違うし、日によって体調が悪い子もいる。しかも子供自身は体調に無自覚なので、先生が注意をしていないと悪化させてしまう。大勢の子供の、目には見えない「体調」を見るのが、何より大変だった。

安全管理も同じで、子供たち自身にはまかせておけない。自転車が来るよー、と言うと、壁にくっつくために自転車の前を横切って行く子供がいる。これを食い止めるのも、近くにいればともかく、数人見ていると無理だ。

保育士さんたちはすごい。一人一人個性も能力も違う子供たちに合わせて臨機応変のフォーメーションで対応していく。現場力ハンパねぇ。

私は休憩60分もらったけど、彼らは多分あまり落ち着いて休めないはず。業務改善は比較的私の得意とするところではあるんだけど、今の人数で保育園の業務を改善できるかと言われるとなかなか難しい。うーん。

先生方には「毎年、保育士体験をすれば子供の成長を実感しますよ」と言われた。個人的には、他の子供のことを見られたのが面白かった。自分の子供との違いや、反応の面白さ。当日は盛り上がったのに後日クールな子もいれば、当日は遠くで見ているだけだったのに後日は私のところに来ていっぱい話していく子もいる。

いろいろいい体験になりました。来年もまた時間を作って参加したいな。

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【つづき】 → 3歳児クラスでも一日保育士体験をしてきました!

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パパが考えたこと

一日保育士体験に行ってきた!(3歳児クラス)

23 1月, 2017

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5件のフィードバック

  1. 2016年3月28日

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  2. 2016年5月1日

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  3. 2017年1月23日

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  4. 2017年6月16日

    […] けない。先生たちが何を目的に連絡帳を設定しているのか、再確認しておこう。以前の一日保育士体験でも書いたけれど、先生たちが毎日一番気に掛けているのは「子供たちの健康と安全 […]

  5. 2018年3月30日

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