遊びの指南書 〜 三浦太郎『ゴリラのおとうちゃん』(写真追加)
絵本のようで、遊びの指南書のようで
わりと近刊。9月くらいに出た本なのかな。
関西弁のゴリラのお父ちゃんが息子と戯れる。
「ええてんきやなぁ」とだらけているお父ちゃんのとこに息子が遊びをせがむ。
「いっかいだけやで」とお父ちゃんは遊んでやることにする。
絵本なんだけど、事実上は絵付きで解説されている遊び指南書。子供と一緒にやる羽目になる必死。布団の上で推奨(ベッドの家ではどうするんだろう? ベッドでやるの?)。
ここから組み体操的な遊びがスタートする。技名が「おとうちゃん~」で統一感を出している。
おとうちゃんひこうき
ラクショー。
おとうちゃんつうてんかく
息子に「それやったらスカイツリーちゃうん」とツッコまれ「行ったことあらへんし」と言い訳する父。
両手で子供を支えてバランスをとらねばならず、けっこう難易度が高い。
娘は怖いので(父の腕力がなくてぐらぐら揺れる)身体が縮こまってしまっているが、本来は足をまっすぐ伸ばす。巻末には6歳の娘に「おとうちゃんつうてんかく」を炸裂させる作者の写真が載っているが、けっこう腕力ないときつそう。年齢が上の方が娘が自分でバランスするから逆にやりやすいのかなぁ。
おとうちゃんバイク
ラクショー。
おとうちゃんブランコ
ええと、アレよ。カチカチ山で縛り上げられたタヌキの要領で子供の手足をまとめて父親が持ち、ブランブランと揺らす。
おとうちゃんのぼり
我が家では「おとうちゃんのぼり からの かたぐるま」にという派生技になっている。子供が肩までのぼったら、柔道技の肩車の要領で子供を背中から畳に叩きつける布団にそっと下ろす。こないだはネックストラップでつけていたiPhoneが娘の頭上に落ちて大泣きしながら猛烈な抗議を受けた(あたりまえ)。
おとうちゃんたこやき
おとうちゃんがすねに子供を乗せ、足で頭上に向けてひっくり返す大技。これも両手で子供を支えつつ、ひっくり返して着地させないといけない。父の頭上にニードロップ炸裂しないように注意。
おとうちゃんおすし からの バンジー!
難易度は意外と高くない。背中に子供を乗せて「おすし」体制になった後、足をつかんだまま立ち上がるだけ。
下ろす時の方が注意が必要。父が子供の髪の毛を踏んづけたりしないよう。「バンジー!」のかけ声がうちの子の一番のお気に入り。
「おとうちゃんたこやき」が一番難易度が高い。が、見た目ほど難易度高くはないし、失敗して自爆するのはたぶんおとうちゃんの方なので、子供はあんまり怪我しなさそう。逆に難易度低い割に子供が危なさそうなのは、「おとうちゃんのぼり」とか「バンジー!」だろうか。
台本としての『ゴリラのおとうちゃん』(女優の誕生)
娘にとってこの絵本は「絵の通りにやるもの」という認識らしく、最初のおとうちゃんがだらけているページから、絵とまったく同じ構図を要求される。最初、私はだらけて「ええてんきやなぁ」と言わないといけない。彼女はお腹の上にのぼってきて、「あそんで〜や」と言う。
次のページでこどもゴリラがおとうちゃんのお腹の上ででんぐり返しをしているのを見て、自分もでんぐり返しをしようとする(あぶねぇって)。女優の誕生である。まぁ去年保育園の発表会でステージデビューしてるから初の演技ってわけじゃないか……自分で保育園の先生の役とかよくやってるし。
「おとうちゃんひこうき」では「ぶーってやって」と言われる。ゴリラのおとうちゃんを見ると。たしかにほっぺたをふくらませて「ぶーん」とやっているようだ。細かいとこまでよく見ている。
母親が読み聞かせボランティアをしていたので、うちの娘は自分が読み聞かせるのも好き。今日になって、この絵本も攻守を替えて自分が読み始めた。その場合は、自分が「おとうちゃん」であるらしく、「ひこうき」なども果敢に父を膝に乗せようとする(父が膝付きの姿勢で一応ひこうき)。さすがに「つうてんかく」は無理と理解しているらしい。
むすめは「バンジー!」の語感が特にお気に入り。先日はかがくいひろし『だるまさん』三部作を読みながら「だーるーまーさーんがー……バンジー!」というのを全ページで繰り返していた。それは「一回だけは面白い」ってタイプのジョークだよ、マイク……。
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[…] 最近の流行は『ゴリラのおとうちゃん』で、とりあえずこれを一公演演じる。 […]