prj_80YearsOfHappiness: 子供の80年間の幸福度を最大化するプロジェクト

シャボン玉

初版: 2015–11–28(土) 最終更新日: 2015-12-27(日)  

目標「子供の80年間の幸福度を最大化する」

大人時代のために子供時代を犠牲にしない。 子供時代のために大人時代を犠牲にしない。 幸福度曲線を積分して得られる面積を最大化することを目標にする。

留意点

このプロジェクトは最初の20年間はコントロールができ、次の20年間はかろうじて干渉が可能だが、後半の40年間はまったく干渉できないという、育成→自律制御プロジェクトである(放置ゲー?)。前半の育成フェーズが成果を決めるポイントとなる。 親が無干渉であれば成果が得られない一方、過干渉であれば自律性を失いやはり成果が得られないということを念頭に、バランスよく育成すること。

定義

幸福とは何か。

  • 精神的に安定している(内面・対人関係含め)
  • 経済的に充足している
  • 衣食住などの生理的欲求が満たされ、将来にわたって過度の不安がない
  • 健康である
  • 依存しない(前向きな依存については許容とする)
  • 搾取されない
  • 自己決定能力がある

これらの条件のもと、現状に一定の満足感が得られれば「幸福である」と考えられる。

方針

行うこと(do)

目標・方針の変更

本プロジェクトに記載の内容は随時更新し、時代・情勢に合わせたものとすること。君子豹変す。 一方で変更はこれまでの経緯と十分に整合がとれ、一貫性を持つこと。君子豹変しない。

本人との協議すりあわせ

本プロジェクトの内容が本人の希望と合致しない場合は、十分な協議を経て、できるだけ本人の希望を尊重すること。プロジェクト後半が自律性を要求していることを忘れるべきでない。親は子のアドバイザーであり、監督者ではない。 なお子の希望が明白に自滅的であると考えられる場合は、親は次善の策やリカバリーに関する準備をしなければならない。本人が支援を求めた場合に、きちんと支援できる位置関係を保持すること。

カウンセリング

親が子のカウンセリングを行うことの有効性には疑問もある(近親者・利害関係者がカウンセリングを行うことはリスクがある)ことを念頭に。 基本的には子供の考えをよく確かめ、十分に理解をし、言い換え(パラフレーズ)によって問題を整理して子供に提示し直すこと。本人は解決能力を持っている。

創意工夫

親の側が創意工夫によって問題を解決すること。本プロジェクトはアイデアマラソンの一種であると考えること。常に親の側が2倍考え、豊富な経験を元に発案すること。 THINK, MA'AM!

「立派な子供になる」支援

大人になる前にまず立派なる子供になろうよ ——岡村靖幸

一足飛びに大人にはならないので、まず立派な子供になることを中間目標とすること。遊びだいじ。

長期的な目標を示す

課題については常に明確に長期的な目標を示唆すること。子供に「ごはん食べなさい」と言う時には、同時にそれが「あなたの肉体的成長に不可欠だから」ということを示唆し、本人に繰り返し伝えて理解させる必要がある。 長期的な目標を提示できない場合、課題そのものの必要性を再検討すること。

行わないこと(don’t)

過剰な禁止

テレビを規制する、ゲームを規制するなどの過剰な禁止は原則行わない。本人が希望した場合、親とのきちんとした交渉・条件設定を以て常に検討する。ただし、条件設定において本人との合意をきちんとし、それに従わせること。

過干渉(特に20歳以降)

子供は一個の対等な個人であると考え、その意見を十分に尊重すること。子供の提案を断る場合にはできるだけ十分な説明をし、理解を得られるよう努めること。 老いては子に従え。子供が飛び回って不在であるのは元気な証拠と考えること。

習得した方がいいスキルセット

言語能力・コミュニケーション

思考・コミュニケーション、英語力などすべての基本となる。

精神的支柱・メンタルバランス

「精神的に安定している」を実現するために必須だが、現代社会において、具体的な施策は困難である。 ポジティブ思考、他社の善意に対する信頼感などが必須。 ユーモア感覚。

人を大切にすること(スキルおよびモチベーション)

早い段階で人を大切にすること(技術含め)を学ぶ。だいじ。 「自分を大切にすること」とのバランスが必要だが、大抵の人間は「自分を大事にすること」の比重が高めになるので注意すること。

自分を大切にすること・護身術

精神面: 自己を保全することの重要性、正当性。 物理面: 護身術。合気道など? 水泳(平泳ぎ)

肉体のメンテナンス

心肺能力、柔軟性を保つなどメンテナンスを行う習慣。 高い能力を有する必要は必ずしもない(故障の可能性も上がる)が、本人が運動に興味があれば禁止もしない。

ITリテラシー

今後一層ITリテラシーの重要性は高まると思われる。 セキュリティ面。 効率化・自動化。 記録およびバックアップ。

金銭感覚・職業訓練

月収と生活費についての理解。 職業の選択肢とその平均的な収入イメージ。ただし「幸福の定義」で「経済的に充足している」が要求しているのは「不便なきこと」であって、「収入が高い方が幸福」ではないことに注意する。 経済的なことの仕組みとお金の力(感情面での力の強さ)など適切な時期(小学校高学年くらいから)に書籍等を読んで家庭の中で、話し合う。 経済的な事を真に学ぶには多少痛い目・失敗することも大事。そのために早い段階で痛い目みるような経験ができるように自由度・責任を持たせる。

交渉能力

「相手が納得できる/メリットのある条件を提示し、支援を得る」能力。相手の立場を念頭においた交渉ができるようにする。 参考図書 4837903606 ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)

習慣化・タスク管理・スケジュール管理

「良い習慣」の習得。 実務能力。 GTD、PDCAサイクル、PMBOKなど。 習慣的なことは特に、親が一緒に楽しく嬉しそうにやることが大事。

英語・外国語

「poor Englishによるコミュニケーション」を重視。 正しい英語というより、英語でコミュニケーションをとる機会を十分に持たせ、自信につなげる。

科学の世界の公用語は、へたな英語(プア・イングリッシュ)です。どうかこの会期中、あらゆる人が進んで議論に参加されることを望みます –via 「科学の世界の公用語はへたな英語(poor English)」の起源について – 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt)

参考: →リンガ・フランカのすすめ (内田樹の研究室)

自己投資

自分に蓄積し、将来的に役立つものを選択し、長期的に実行する習慣。 ただし後述の「レアスキル」はむしろ役立たないものがレア化する場合も多いため、一概に自己投資に執着すべきではない。

レアスキル

一般に役に立たないと思われるレアスキルを持っていることは、自分の価値を高めることにつながる。会話の上でも個性となり「面白い人」として認識されやすい。 一例として両手効き、マイナー言語、片手でポーションミルクを開く、など。

リスクテーク

リスクとリターンは一体であり、リスク回避に有意義な結果はない。リスクテークをしないことは明白なリスク/デメリットである。 リスクは取る。ただし、取り方を工夫する。

ノートの取り方

情報を整理する手段。デジタルリテラシーとの関連あり。 アウトライン形式。マインドマップ。

「食に対する知識・趣向」

食事は身体をつくる大切なもの。病気にならず、できるだけ快適にすごせるには食事と食習慣と食に関する知識や好みは重要。可能であれば以下に留意する ・可能な範囲で無農薬の野菜を使う(全部を無農薬にするわけでなく、無農薬野菜の比率を確保する、という考え方) ・添加物の少ない調味料・手作り味噌などの調味料を使う。 ・外食・出来合いのものを食べさせる比率をコントロールする。回数を増やしすぎない ・手作りのお菓子の味、市販のお菓子の味 ラーメン二郎 色々食べて偏らない ・食事を一緒に作って、楽しむ 楽しいということを知る ・親が美味しそうに楽しそうに食べる。

その他の留意点

学業成績について

英語を学ぶのは社会でコミュニケーショ ンを行うためであり、受験が目的ではない。他も同様。 成績を上げることは最終的には職業選択につながる「手段の一つ」であり、選択する職業によってはある程度優先度が変化することは事実である。 一方で、いかなる職業に就くとしても、社会常識として、また自己の価値を高める手段として、知識が多ければ多いほどいいのは自明である。「何も学ばない」という選択肢は自滅的であり認められない。学業を学ばないのだとすれば、かわりに別の何かを学ぶべきである。

本プロジェクトのリスク

80年という長期的な視野を持つことによって、短期的なリスクを回避し続けるようになると却って弊害が生じる。時には長期的視野を捨て、無為と思えることをするのも特に若いうちには必要、とする考えもある。 本プロジェクトはあくまでも親の視点によるプロジェクトであり、子供は「立派な子供」らしく、のびのびと生活することを妨げないようにする。

参考URL

何が人生を幸福・健康・成功に導くのかを70年間追跡調査した「The Life Project」でわかったことまとめ – GIGAZINE

特に重要なのは子どもが生まれて最初の数年に親がいかに子どもに関心を示すか、ということで、不利な環境で生まれた子どもであっても親が子どものために尽くすことで子どもの生涯が変わってくることもわかっています。2006年に行われた研究では、不利な環境で生まれた子どもであっても、子どもが5歳の時に親が本を読んでやり、10歳の時に教育について考えている家庭では、子どもが30歳になった時に貧困である可能性が著しく低かったとのこと。

改定履歴

2015–11–28(土) 初版制定

2015-12-27(日) Tomoe Arima – 旦那さんのブログで「子供の80年間の幸福度を最大化するプロジェクト」というタイトルで投稿があり… に基づき一部修正。「健康」「食に対する知識・趣向」「習慣的なことは親が一緒に」「依存しない」に「前向きな依存については許容する」を追記。「金銭感覚・職業訓練」について、大幅に追記。

2016-03-02(水) 参考URLを追記

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19件のフィードバック

  1. 2015年12月1日

    […] 加えることにした。昨年辺りからぼんやり考えていた構想を、ブログに明文化した。(あ、prjはプロジェクトの略ね) →prj_80yearsOfHappiness~子供の80年間の幸福度を最大化する [74thHeaven] […]

  2. 2017年11月15日

    […] 子供に東大生になって欲しいとは思っていない。学力だけがprj_80YearsOfHappiness: 子供の80年間の幸福度を最大化するプロジェクトの指標でもない。楽しく人生を送るのに、学力は必ずしも必 […]

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