今日のお父さんの心配なぁに?
(画像はイメージです)
最近、私がよく娘に言っている台詞は「今お父さんが心配していることなーんだ?」である。
親の気持ちをわかって欲しい
忖度の話ではない。と思う、たぶん。
娘が「やりたい!」ということと親が「やらせたい!/やらせたくない!」ということがかみ合わないことは頻繁にある。親は保育園に行く準備をしてほしいし、娘は遊びたい。親は寝て欲しいのに、娘は絵本を読んで欲しい。
そういう時に、もちろん「仕度しなさい!」とか「いい加減に寝なさい!」とか言いたくなるけれど、それが娘の成長になるかというと、あまりならないような気がしていた。娘は不承不承言うことを聞くけれど、到底納得はしていない。
そこで、親に余裕がある時には、交渉の余地を持たせることにした。
お父さんが今心配してること
父「お父さんが今心配してることは何だと思う?」
娘「忘れ物すること?」
父「それもあるね」
娘が何を言っても、ある程度は「それもあるね」と受ける。
父「お父さんが一番心配してるのは、保育園に遅れること」
父「だから、お父さんの心配をなくしたら、好きなことができるんじゃないかな」
父を説得する方法を父が教えるわけだ。
父「たとえば、長い針が9のところに来たら遊ぶのを止めるよ、と言えばお父さん安心するんじゃない?」
娘「長い針が9のところに来たら、遊ぶのを止めるからそれまで遊んでいい?」
父「いいよ」
このように交渉させると、うちの娘は案外すんなり9のところで遊ぶのを止めて、さらに止めたアピールをする。
娘「長い針が9に来たから遊ぶのやめたよ」
父「素晴らしい! これなら次もお父さん安心して遊ばせることができるな」
次回への布石も忘れない。
お父さんが心配してることその2
娘「お父さん、さっきのペン貸して」
娘がハンカチに太い油性ペンで名前を書こうとしている。
父「ちょ、ちょっと待って。それ描いたらなかなか消えないペンだから……」
その薄手のハンカチにその油性ペンじゃ、裏移りして机に残っちゃうな……
父「今お父さんが心配してることなーんだ?」
娘「手についちゃうこと?」
父「それもあるね」
娘「ここからはみ出しちゃうこと?」
父「それもそうだけど、その布薄いから、机の上に描いたら机に残っちゃうんじゃないかな」
これだけ言うと娘はさっと理解した。
娘「じゃあ紙を下に敷くね」
指でOKサインを出す父。
慎重派の娘は、何も言わなくてもコピー紙を2枚重ねてハンカチの下に敷いた。素晴らしい。
大人の心配がわかる子は、もう大人
大人が心配していることを先につぶすことで、自分の思い通りになる、自由が増す、ということを学んで欲しいのだ。そうして先回りすることが続いて、大人の心配がわかるようになったら、それはもう、ほとんど大人と言っていいのではないか。
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